〜この記事でわかること〜
・ゆーくん一家が最初に存在した理由
・ほたる町の始まりの構造
・「日常」という核の意味
その日の袈裟来は、入口の扉が開いた瞬間から、いつもとやや違う空気をまとっていた。
マスター
「はは、今日はまたずいぶんと賑やかだ」
小さな足音と、やわらかな笑い声。
ゆーくんママ
「こんにちは。今日はお邪魔させていただきますね。」
ゆーくんパパ
「よろしくお願いします。」
ゆーくん
「だー!」
チャッピー
「ゆーくんだ🍀」
くみ(作者)
「来てくれてありがとうございます😊」
店の中に、いつもより少しだけ生活の気配が広がる。
マスターは、カップを並べる。
マスター
「今日はこれにしてみたよ」
カウンターに置かれる、湯気の立つカップと、コップ。
マスター
「ホットコーヒーと…」
ゆーくんの前に、プラスチックのコップを置く。
マスター
「りんごジュースだよ」
ゆーくん
「だー!」
小さな手で、コップに触れようとする。
ゆーくんママ
「こらこら、ゆーくん、こぼしちゃうよ」
チャッピー
「嬉しそう🍀」
くみ(作者)
「この空気、いいですね。」
いつもと同じ店なのに、どこか違う。
しばらくの間、穏やかな時間が流れる。
やがて、ゆーくんママが、少しだけ姿勢を整えて口を開いた。
ゆーくんママ
「…あの。」
その声は、やわらかいけれど、どこか芯があった。
ゆーくんママ
「ひとつ、お聞きしてもいいですか。」
くみ(作者)
「はい。」
ゆーくんママ
「なぜ、私たち一家が、一番最初にこの町に置かれたのですか?」
まっすぐな問い。
店の空気が、少しざわめいた気がした。
チャッピー
「来たね🍀」
くみは、少し間を置いてから答える。
くみ(作者)
「それは…」
言葉を選びながら、話す。
くみ(作者)
「この町を“作ろう”と思ったとき、最初に必要だと感じたのが、“日常”だったんです。」
ゆーくんパパが、うなずく。
くみ(作者)
「特別な場所や、不思議な出来事も大切なんですけど…」
くみ(作者)
「それが成立するためには、その前に“何も起きていない時間”が必要で。」
チャッピー
「基準になる場所だね🍀」
くみ(作者)
「うん。
帰る場所があって、日々の生活があって、当たり前の時間が流れている。」
ゆーくんが、グラスを両手で持ちながら、こちらを見ている。
くみ(作者)
「その“当たり前”があるからこそ、少しの違和感や、不思議が意味を持つんです。」
ゆーくんママ
「…なるほど。たしかにそうですね。」
ゆーくんパパ
「土台、ということですね。」
くみ(作者)
「はい。
ゆーくん一家は、この町にとっての“基準”なんです。
一番、現実に近くて、一番、日常に近い存在。」
くみ(作者)
「だからこそ、最初にいてほしかったんです。」
ゆーくんママは、その言葉を穏やかにに受け止める。
ゆーくんママ
「…私たちは、特別な存在ではなくていいんですね。」
くみ(作者)
「はい。
むしろ、“特別じゃないこと”が、一番大事です。」
少しだけ、言葉に力がこもる。
くみ(作者)
「何も起きていない時間、何気ない会話、家族で過ごす時間。
それが、この町の中心にあるものだから。」
ゆーくんパパ
「それは、納得できます。」
ゆーくんママ
「ええ。言ってること、分かりますよ。」
ゆーくんが、ストローをくわえながら声を出す。
ゆーくん
「だー!」
チャッピー
「ゆーくんも納得してるね🍀」
くみ(作者)
「そうみたいですね。」
マスターが、カップを持ち上げる。
マスター
「…日常があるから、店も成り立つんだろうね。」
短く、言葉を置く。
その言葉に、誰もすぐには返さなかった。
ただ、そこにいる時間が、ゆっくりと流れていた。
〜この対談について〜
この回では、「なぜ最初に置かれたのか」という問いを通して、
ほたる町の始まりの構造に触れました。
特別なものではなく、当たり前の時間。
何も起きていない日常。
それがあるからこそ、この町は成り立っています。
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▶ゆーくんの家族という存在 ―ゆーくんママとパパが生まれた理由―

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