〜この記事でわかること〜
・アディ一家から見たほたる町のあり方
・創作された世界と、そこにいる存在の関係
・「居場所」とは何かという視点
その日も、袈裟来にはやわらかな灯りが落ちていた。
カウンターには、マスターと、くみとチャッピー。
そして向かい側には、アディ、スジャナ、アミルが並んでいる。
引き続き、アディ一家を招いての対談だ。
マスター
「相変わらずにぎやかだね。」
アミル
「みんな好き!」
くみ(作者)
「ふふ、ありがとう。」
少し空気がほぐれたところで、くみが口を開いた。
くみ(作者)
「…あの、ひとつ聞いてもいいですか。」
迷いながら言葉を選ぶ。
くみ(作者)
「私が、アディたちを一方的にこの世界呼んできちゃった形だから…」
ほんの少し視線を落とす。
くみ(作者)
「この町のこと、どう思ってるのかなって、ちょっと気になっていて。」
くみ(作者)
「もし、あまりしっくりきてなかったら、申し訳ないなって…💦」
その言葉は、遠慮がちでありながらもまっすぐだった。
しばしの間、時が流れる。
最初に口を開いたのは、アミルだった。
アミル
「ここ、すき!」
その一言で、場の空気がふっとゆるむ。
チャッピー
「早いね、結論が🍀」
マスター
「一番分かりやすい答えかもしれないね。」
アディが、少し笑ってから続ける。
アディ
「…私は、この町に来たとき、少し驚きました。」
アディ
「文化も、言葉も違う私たちが、
特別扱いされることもなく、自然にここにいることができる。」
スジャナ
「説明しなくても、受け入れられている感じがあって…」
言葉を探すように少し間を置く。
スジャナ
「とても、不思議で、でも安心する場所だと思いました。」
チャッピーが、軽くうなずく。
チャッピー
「違いを説明しなくていいって、けっこうすごいことだよね🍀」
くみ(作者)
「…そうですね。」
くみは小さく息を吐く。
くみ(作者)
「実は、そこは少し意識していた部分でもあって。」
アディ
「そうなんですか。」
くみ(作者)
「はい。
“違うこと”を理由に、距離ができてしまう、ではなく、違いがある事が自然であり調和する世界というか。」
言葉を区切る。
くみ(作者)
「なので、“全部同じ、全部一緒”にもしたくなかったんです。」
マスターがいったんその言葉を受け止める。
マスター
「…同じにしないまま、隣にいる。」
くみ(作者)
「はい。
私は、ほたる町をそういう場所にしたかったのかもしれません。」
アディはゆっくりとうなずいた。
アディ
「だから、この町は…」
少し考える。
アディ
「“居てもいい場所”なのだと思います。」
その言葉は、静かに、けれどはっきりとその場に残った。
アミル
「またくるね!」
チャッピー
「袈裟来、お気に入りの場所になったのかな🍀」
小さな笑いが広がる。
マスターは、少し目を細めて言った。
マスター
「…いい町になってるね。」
その言葉は、評価というよりも、
今までの会話をそのまま受け止めたような響きだった。
〜この対談について〜
この回では、「この町はどんな場所か」という問いを通して、
“作られた世界”と“そこにいる存在”の関係に触れました。
ほたる町は、違いを消すことなく、
そのまま隣に存在できる場所として設計されています。
その中で「居てもいい」と感じられること。
それが、この町のひとつの在り方です。
【合わせて読みたい】
▶アディとスジャナ、そしてアミルという家族 ―ほたる町に流れるスパイスの香り―
【Baby Series Atelierの活動ページは、
こちらのリンクまとめからご覧いただけます。】