〜この記事でわかること〜
・双子という設定に込められた意味
・「同じ」と「違う」が並ぶことの価値
・ほたる町における対比の役割
その日の袈裟来には、やわらかな甘い香りが混ざっていた。
カウンターの向こうに並ぶのは、
pâtisserie Fée blancheの双子姉妹。
同じ顔立ち、同じ背丈。
けれど、それぞれ違う空気をまとっている。
マスター
「…今日は、ずいぶん華やかだね。」
チャッピー
「甘い匂いするね🍀」
くみ(作者)
「お店の空気そのまま持ってきた感じですね。」
姉が、ふわりと微笑む。
姉
「ふふ、そうかもしれませんね。」
妹は、静かにこちらを見ている。
少しの間、カップの音だけがやわらかく響く。
やがて、妹が口を開いた。
妹
「お聞きしてもいいですか。」
くみ(作者)
「はい。」
妹
「なぜ、私たちは“双子”という設定なのでしょうか。」
その問いはまっすぐだった。
チャッピー
「来たね、本題🍀」
くみ(作者)
「…そうですね。」
少し考える。
くみ(作者)
「最初から“双子にしよう”って強く決めていたというよりは、
作っていく中で、自然とそうなっていった感覚なんです。」
姉
「自然にですか?」
くみ(作者)
「はい。」
くみ(作者)
「同じお店の中に、“似ているけど違う存在”を置きたかったのかもしれません。」
チャッピー
「一人だと出せないものがあるってことだね🍀」
くみ(作者)
「うん。たとえば…」
視線を上げる。
くみ(作者)
「同じケーキでも、作る人が違うと、どこか味や形が変わるじゃない?」
姉
「ええ、分かります。」
妹
「同じレシピでも、仕上がりは変わりますね。」
くみ(作者)
「そういう“同じじゃない部分”を、並べて存在させたかったんだと思います。」
少し間があく。
くみ(作者)
「でも、完全に別の存在だと、その対比が見えにくくて。」
チャッピー
「だから“双子”なんだね🍀」
くみ(作者)
「うん。
似ているからこそ、違いが見える。」
妹はコクリとうなずいた。
妹
「…確かに。」
姉
「私たち、よく“似てるね”って言われますけど…」
少しだけ笑う。
姉
「実際には、けっこう違うもんね。」
妹
「うん。性格も全然違うよね」
短く、でもはっきりと。
マスターが、カップを置きながら言った。
マスター
「…同じに見えるから、違いが分かるんだろうね。」
その言葉が、場にゆっくりと広がる。
くみ(作者)
「そうなんです。」
くみ(作者)
「双子って、“同じであること”と“違うこと”が、
同時に存在してる状態なんですよね。」
チャッピー
「一人じゃ成立しない存在だね🍀」
くみ(作者)
「うん。」
小さく頷く。
くみ(作者)
「この町にも、そういう関係を置きたかったのかもしれません。」
姉と妹は、互いに一瞬だけ視線を交わす。
姉
「それが、私たち姉妹なんですね。」
妹
「…そういう配置、ということですね。」
くみ(作者)
「はい。」
その答えは、強くも弱くもなく、ただそこに置かれた。
〜この対談について〜
この回では、「なぜ双子なのか」という問いを通して、
“同じであること”と“違うこと”が並ぶ意味について触れました。
双子という存在は、対比を強調するための装置ではなく、
違いを自然に浮かび上がらせる関係性として、この町に置かれています。
似ているからこそ見える違い。
それもまた、この世界のひとつの在り方です。
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▶pâtisserie Fée blancheの双子姉妹 ―白いお菓子と、重なるふたりのリズム―

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