〜この記事でわかること〜
・三毛猫駄菓子店という場所の空気
・おばーちゃんの視点から見た“あるといいもの”
・満たされた場所にある小さな余白
ビー玉商店街から少し外れた路地。
木の引き戸と、少し色あせた暖簾。
その奥に、小さな店がある。
「三毛猫駄菓子店」
くみ(作者)
「ここだね。」
チャッピー
「なんかもう懐かしい感じする🍀」
引き戸を開けると、
ガラス瓶に詰まった駄菓子と、やわらかい空気が迎えてくれた。
おばーちゃん
「いらっしゃい。来たのかい」
ミーちゃん
「ニャ〜」
足元を、ふわりと白と茶の影が通り過ぎる。
くみ(作者)
「こんにちは。今日はお店にお邪魔させてもらいますね。」
おばーちゃん
「好きに見ていきな」
くみは、棚に並んだ駄菓子を眺める。
くみ(作者)
「わぁ…すごい量ですね✨」
くみ(作者)
「これ、何種類くらいあるんですか?」
おばーちゃんは、首をかしげる。
おばーちゃん
「さぁねぇ」
おばーちゃん
「数えたことはないけど、だいぶあるんじゃないかねぇ」
チャッピー
「“だいぶ”っていいね🍀」
くみ(作者)
「全部、おばーちゃんが仕入れてるんですか?」
おばーちゃん
「そうだよ」
少し間。
おばーちゃん
「昔からあるのもあるし、新しいのもあるよ」
ミーちゃん
「ニャ」
瓶の間を、すり抜けるように歩いていく。
くみ(作者)
「このお店って、ずっとここにあるんですか?」
おばーちゃん
「そうだねぇ」
おばーちゃん
「気づいたら、ここにあったよ」
チャッピー
「それ前にも聞いた気がする🍀」
くみ(作者)
「たしかに(笑)」
少し笑いがこぼれる。
店の奥から、ほんのり甘い香りが漂ってくる。
くみ(作者)
「あの、もう一ついいですか。」
おばーちゃん
「なんだい」
くみ(作者)
「この町で、何か足りないものってありますか?」
店の中の空気が、少しゆるむ。
おばーちゃんは、特に考え込む様子もなく言った。
おばーちゃん
「足りないならねぇ」
(少し間)
おばーちゃん
「足りないなりに、なんとかなるもんさ」
ミーちゃん
「ニャ〜」
おばーちゃんは、ミーちゃんの方をちらりと見る。
おばーちゃん
「…けど、そうだねぇ」
おばーちゃん
「できることなら、ミーちゃんを、いっぱい出してあげておくれ」
ミーちゃん
「ニャ!」
少し嬉しそうに、しっぽが揺れる。
チャッピー
「そこなんだね🍀」
くみ(作者)
「ふふ、可愛いね。」
おばーちゃんは、目を細める。
おばーちゃん
「なんだか、見てくれてる人がいるんだろう?」
おばーちゃん
「その人たちも…」
少し笑う。
おばーちゃん
「こんなおばあさんより、ミーちゃんの方がいいだろうからねぇ」
ミーちゃん
「ニャ」
おばーちゃん
「あたしは、ほんのちょっとでいいんだよ」
おばーちゃん
「…おまけみたいなもんさ」
その言葉は、軽く置かれた。
くみは、少し考える。
くみ(作者)
「そっか…」
店の中を見渡す。
くみ(作者)
「でも、こういう場所があるから、ミーちゃんも、ここにいられるんですよね。」
チャッピー
「セットだね🍀」
おばーちゃん
「そうだねぇ」
それ以上は、何も言わなかった。
ミーちゃんが、ゆっくりと棚の上に上がる。
ミーちゃん
「ニャ〜」
その声を聞きながら、くみは思った。
足りないものがあっても、なんとかなる。
でも、そこにいるものは、ちゃんとそこにある。
〜この対談について〜
この回では、「この町に足りないものは何か」という問いを通して、
不足そのものではなく、そこにあるものの価値に触れました。
足りないことは問題ではなく、
そこにあるものが何か。
それが、この場所の形を決めているのかもしれません。
【合わせて読みたい】
▶三毛猫駄菓子店のおばーちゃんと三毛猫 ―甘いあんみつと、静かな見守りの時間―

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こちらのリンクまとめからご覧いただけます。】