〜この記事でわかること〜
・おじいさんから見たほたる町の意味
・時間と場所の関係
・「流れる時間」と「残る時間」の違い
袈裟来の中には、さっきと同じ、ゆっくりとした時間が流れていた。
カップの中のコーヒーは、少しだけ温度を落としている。
おじいさんが、カップを見て、ぽつりと口を開く。
おじいさん(時の魔法工房)
「…もう一杯、いただいてもいいかな。」
マスターはうなずく。
マスター
「同じのでいいかい。」
おじいさん
「うん、同じもので。」
しばらくして、新しいアメリカンが置かれる。
シュナウザー
「ワン」
チャッピー
「おかわり来たね🍀」
くみ(作者)
「ありがとうございます。」
湯気が、ゆっくりと立ち上る。
それぞれが寛いだ気持ちでその場に居た。
くみ(作者)
「お聞きしてもいいですか?」
おじいさん
「なんだね?」
くみ(作者)
「この町は、おじいさんにとってどんな場所ですか?」
おじいさんは、やや目を伏せた。
カップを持ち上げて、ひとくち飲む。
おじいさん
「…そうだな。」
おじいさん
「この町は、“時間が見える場所”かもしれない。」
チャッピー
「時間が見える?🍀」
くみ(作者)
「どういうことですか?」
おじいさんは、ゆっくりと答える。
おじいさん
「普通はな、時間というものは、流れていくだけだ。」
おじいさん
「気づけば過ぎていて、形は残らない。」
カップを置く。
おじいさん
「だが、この町では…」
少し周囲を見る。
おじいさん
「時間が、少しだけ“留まっている”ように感じる。」
シュナウザー
「ワン」
チャッピー
「留まる時間かぁ🍀」
くみ(作者)
「流れているのに、残っている…みたいな?」
おじいさんは、うなずく。
おじいさん
「そうだな。」
おじいさん
「日常の中の、何気ない瞬間。」
おじいさん
「それが、ここではちゃんと“記憶として残る”。」
おじいさん
「だから、時計を作る者としては…」
おじいさん
「少し、不思議な場所だ。」
マスター
「…時間を刻むのが仕事の人には、特にね。」
おじいさん
「うん。」
おじいさん
「ここでは、“刻む時間”と“残る時間”が、同時に存在している。」
シュナウザー
「ワン」
足元で、小さく鳴く。
チャッピー
「時間って、ひとつじゃないんだね🍀」
くみ(作者)
「うん…
ただ流れて消えるだけじゃない、っていうのが、何だかしっくりきます。」
おじいさんは、少し目を細める。
おじいさん
「…それでいいと思う。」
短く、言葉を置く。
コーヒーの湯気がスゥっと消えていく。
その間にも、時間は流れている。
けれど、この瞬間は、確かにここに残っている。
〜この対談について〜
この回では、「この町はどんな場所か」という問いを通して、
時間の在り方について触れました。
流れていく時間と、残っていく時間。
その両方が重なり合うことで、場所は意味を持ちます。
それが、この町のひとつの特徴です。
【合わせて読みたい】
▶時の魔法工房のおじいさんとシュナウザー ―刻まれた時間のそばにいる、ふたりの存在―

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こちらのリンクまとめからご覧いただけます。】