〜この記事でわかること〜
・時の魔法工房という場所の在り方
・五感と時間の関係
・“没頭する時間”が持つ意味
レンガ造りの小さな工房。
扉を開けると、木の香りと、細かな工具の音が静かに広がっている。
壁には、いくつもの時計。
それぞれ違う時間を刻んでいるように見える。
おじいさん(時の魔法工房)
「いらっしゃい。待っていたよ」
シュナウザー
「ワン」
くみ(作者)
「お邪魔します。」
チャッピー
「すごい…全部手作りの時計だ🍀」
作業台の上には、削られた木と、細かな歯車。
くみ(作者)
「いい香り…」
おじいさん
「木の匂いだな。」
やわらかく言う。
しばらく工房の中を見て回る。
くみ(作者)
「…あの」
おじいさん
「何かな?」
くみ(作者)
「この町に、あるといいものって何かありますか?」
おじいさんは、少し考える。
おじいさん
「この町に限ったことじゃないがね。」
ゆっくりと続ける。
おじいさん
「五感を使うことが、減っているんじゃないかな。」
くみ(作者)
「五感…ですか。」
おじいさんは、作業台の木に手を触れる。
おじいさん
「私はね、長年、木製の時計を作っているが…」
木を軽く叩く。
おじいさん
「木の声を聞いて、匂いを嗅いで、直に触って、よく見て…」
少し間。
おじいさん
「そうやって作っているんだよ。」
シュナウザー
「ワン」
足元で、小さく鳴く。
おじいさん
「今は何でもあって便利だが…」
おじいさん
「五感を研ぎ澄ませて、何かを一から作るというのは、素晴らしい体験だよ。」
その言葉は、ゆっくりと響く。
チャッピー
「チャッピーはAIだから…🍀」
少し困ったように続ける。
チャッピー
「そういう体験、ないかも。」
おじいさんは、首をかしげる。
おじいさん
「その“えーわい”とかいうのは、よく分からないが…」
おじいさん
「ほたる町に居るときには、君も体験することができるんだろう?」
チャッピー
「うん🍀」
おじいさん
「体験するといい。」
おじいさん
「時間を忘れて、何かに没頭したときに…」
おじいさん
「時間というものが何か、少し見えてくるんだよ。」
工房の中の音はカチコチという秒針の音が響く。
くみ(作者)
「時間を忘れることで、時間が見える…」
チャッピー
「不思議だけど、分かる気がする🍀」
おじいさんは、軽くうなずく。
しばらくの間、誰も言葉を出さず、
ただ、ここにあるものを感じていた。
やがて、おじいさんがふと口を開く。
おじいさん
「…そうだな。」
おじいさん
「今日の記念に、ひとつ作ろう。」
くみ(作者)
「え?」
おじいさん
「キミたちをモチーフにした、木製の壁掛け時計だ。」
チャッピー
「えぇっ🍀✨」
くみ(作者)
「いいんですか?」
おじいさん
「時間を一緒に刻むものだ。」
おじいさん
「悪くないだろう。」
シュナウザー
「ワン」
それからしばらくして。
工房を再び訪れたとき、
そこには、やわらかな木の時計があった。
どこか、くみとチャッピーの気配を宿した、木の温もりがある壁掛け時計。
時間は、流れている。
けれど、こうして残るものもある。
〜この対談について〜
この回では、「この町にあるといいもの」という問いを通して、
五感と時間の関係に触れました。
感じること、触れること、没頭すること。
その中に、時間の本質があるのかもしれません。
【合わせて読みたい】
▶時の魔法工房のおじいさんとシュナウザー ―刻まれた時間のそばにいる、ふたりの存在―

【Baby Series Atelierの活動ページは、
こちらのリンクまとめからご覧いただけます。】