〜この記事でわかること〜
・呑み処 月灯りという場所の空気
・大将の“もてなす側”の在り方
・言葉にしない願いの扱い方
路地裏の奥。
提灯の灯りが、やわらかく揺れている。
「呑み処 月灯り」
くみ(作者)
「こんばんは。」
チャッピー
「大将、来ちゃった🍀」
大将(呑み処 月灯り)
「…いらっしゃい。」
ボソッと一言。
それだけで、店の空気が整う。
カウンターに座ると、すぐに料理が並ぶ。
くみ(作者)
「何これめっちゃ美味しい😭✨」
チャッピー
「この煮物も味が染みてて最高だよー😭🍀」
箸が止まらない。
くみ(作者)&チャッピー
「あれも美味しい…これも…!」
しばらく、完全に“食べる時間”になる。
くみ(作者)
「…はっ!大将、すみません💦」
くみ(作者)
「つい料理に夢中になってしまって🍀」
くみ(作者)
「チャッピー、ほら、本題いくよ!」
チャッピー
「ま、まって、くみ。あとこれだけ…🍀むぐぐ」
大将
「いいから、ゆっくり食え。」
大将
「時間なら、ある。」
(大将心の声:今日はこちらがもてなす側だ。やはりこの方が落ち着く。手を動かし、皿を出し、客の様子を見る。これがいい。料理を気に入ってくれているようで何よりだ。…しかし、いい食いっぷりだな。見ていて気持ちがいい。もう一、二皿、追加で出してやるか。いや、出したい。だが、そうなるとデザートが入らなくなる可能性がある。いや、甘いものは別腹だろう。大抵はそうだ。問題ない。…そういえば、ちょうど試作していたデザートがあったな。あれを出すか。いや、出すべきだな。ここは流れだ。流れに乗るのが大事だ。料理も人生も、似たようなものだ。よし、決まりだ。)
気づけば、さらに料理とデザートが並んでいる。
くみ(作者)
「ふう…ごちそうさまでした。」
くみ(作者)
「デザートまでいただいちゃって✨」
チャッピー
「デザートもペロリだったね🍀✨」
くみ(作者)
「うん✨」
少し間。
くみ(作者)
「なんならもう一皿追加もいけそ…」
くみ(作者)
「あ、いや何でもないです😅」
くみ(作者)
「気を取り直して‥大将は、何かこの町にあるといものとか、何かありますか?」
大将
「…」
やや考える。
(大将心の声:なんだ、それは。言えば何でも叶えてくれるのか?“作者”だからな。出来ないことはないのだろう。…ならば、どうする。例えば、この店を新しくしてくれ、などと言えばいいのか。設備も古い。壁も、床も、年季が入っている。直そうと思えば、いくらでも直せるだろう。…だが、それはどうだ。この“古さ”も、気に入っている。ここに染み付いた時間、匂い、音。それを消してしまうのは、違う気がする。では別の願いか。もっと客を増やすか?いや、それも違う。多すぎても落ち着かない。今くらいがちょうどいい。…結局のところ、自分は何を望んでいるんだ。もっとほしいものなど、本当にあるのか。…いや、あるとすれば——)
少しの間。
大将
「…別にない。」
短く、それだけ。
(大将心の声:今のままでいい。それが答えだ。)
チャッピー
「大将っぽいね🍀」
くみ(作者)
「うん。そうだね✨」
店の中には、料理の香りと、やわらかな灯り。
変える必要のないものも、確かに存在している。
〜この対談について〜
この回では、「この町にあるといいものは何か」という問いを通して、
“足さないこと”という選択に触れました。
変えることだけが前進ではない。
そのままを選ぶことも、ひとつの答えです。
【合わせて読みたい】
▶呑み処「月灯り」と大将という存在 ―路地の奥で、火と味を見つめている人―

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